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大阪高等裁判所 平成元年(ラ)590号 決定

抗告人(債権者) 岩宮利政

相手方(債務者) 日工ゲート株式会社

原審 神戸地方昭和六三年(ヨ)第五二七号(平成元年一二月一二日決定、二一巻三号一〇〇二頁参照)

主文

本件抗告を棄却する。

抗告費用は抗告人の負担とする。

理由

一  抗告人の本件抗告の趣旨及び理由、相手方の右に対する反論は、それぞれ別紙記載のとおりである。

二  当裁判所の判断

当裁判所も、本件実用新案権及び本件意匠権に基づく差止等を求める抗告人の本件仮処分申請は、いずれもその被保全権利の疎明を欠き、かつ事案の性質上疎明に代わる保証を立てさせて右申請を認容することも相当でないので、これを却下すべきものと判断する。その理由は、次のとおり付加、訂正等するほか、原決定の事実及び理由説示のとおりであるから、これを引用する。

1  原決定一九枚目表四行目「債権」を「債権者」と、同二四枚目裏一〇行目(編注、二一巻三号一〇二三頁一二行目)「九月末」を「二月」と、同二五枚目裏七行目(同上、一〇二四頁一三行目)「五九年八月」を「六〇年五月七日」とそれぞれ改める。

2  同三三枚目表五行目及び六行目(同上、一〇三一頁三行目)を全部削除し、七行目(同上、同頁四行目)「3」を「2」と、末行目「実用新案法」を「実用新案権」とそれぞれ訂正し、同裏一二行目(同上、同頁一五行目)「疎甲」の次に「第三、」を付加し、同三四枚目表五行目(同上、一〇三二頁一行目)「(一)〈1〉」を「1〈1〉」と訂正し、同一〇行目(同上、同頁四行目)本文冒頭に「前掲疎甲第三号証及び」を挿入し、同裏四行目(同上、同頁九行目)「(一)〈2〉」を「1〈2〉」と訂正し、同三五枚目表一行目(同上、同頁一五行目)「総動員しても」の次に「会社の業務範囲に属する」を付加し、同じ行「生産技術」を「技術や意匠」と訂正し、四行目(同上、同頁一七行目)「場合には、」の次に「特段の事情のない限り、」を付加し、五行目(同上、同頁一八行目)「考案や意匠」を「技術や意匠の改良改案」と、同三六枚目表一行目(同上、一〇三三頁一二行目)「(一)〈3〉」を「1〈3〉」とそれぞれ訂正する。

3  同三八枚目表五目(同上、一〇三五頁一三行目)「昭和五九年八月」を「昭和六〇年五月七日」と改め、同九行目(同上、同頁一六行目)と一〇行目(同上、同頁一七行目)の間に次のとおり挿入する。

「疎甲第二、第一一、第一八、第二六、第二七、第三五、第三六、第四〇号証、疎乙第七号証によれば、本件意匠につき意匠権登録出願がされたのは昭和六〇年一〇月一一日ではあるが、本件意匠は遅くとも昭和五八年八月六日の特許(発明の名称「ゲート」)申請当時既に完成されていたことが一応認められる。」

4  同一二行目(同上、同頁一八行目)「昭和五八年夏頃」を「昭和五八年八月六日」と改める。

5  同裏三行目(同上、一〇三六頁二行目)「仮に」から同一〇行目(同上、同頁六行目)までを次のとおり改める。

「右(三)の法理に鑑み、右(二)、(四)の各認定事実(先の挿入、訂正後のもの)によれば、債権者は前記1〈3〉の要件が充足されることが明らかである。

なお、本件考案が職務考案であるとの前記説示に対する債権者の再抗弁につき前記第一の二8(一)ないし(三)においてなした説示は、本件意匠に関しても同様にいうことができる。」

三  よって、原決定は相当であって、本件抗告は理由がないからこれを棄却し、抗告費用は抗告人に負担させることとして、主文のとおり決定する。

(裁判官 後藤文彦 古川正孝 川勝隆之)

別紙〈省略〉

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